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天竺徳兵衛
江戸初期に実在した伝説の商人で数々の旅物語がある。その中でも有名な歌舞伎の物語、天竺徳兵衛聞書往来は異国に渡った徳兵衛が蝦蟇の妖術を自在に操って日本転覆を企てるという奇想天外なフィクション。未知の世界への想像力や冒険心を誘う図柄です。歌川国芳の浮世絵を元に制作しました。
龍王太郎英雄譚
歌川国輝の絵を元に制作しました。親の仇討ちの為に牛窪郡龍の討伐を誓う龍王太郎正辰が、龍であった母の形見の鏡に映る美しく化けた牛窪郡龍と戦う図柄。かつて龍であった親を持つ武士と、その敵である龍との勇ましい戦い。神の戦いと親子の絆を語る、日本伝統刺青において人気の図柄です。
水滸伝行者武松
中国の歴史小説「水滸伝」に登場する酒好きの豪勇「武松」が素手で猛虎を倒したという物語。歌川国芳の武者絵を元に自分なりの表現をしてみました。猛虎に立ち向かう武松には「龍虎相打つ」の諺に因んで龍の刺青を施しました。右腕に蝶を置いて、閑寂と闘いの喧噪を対比させました。
昇り鯉
鯉の滝登りは鯉が中国黄河の激流を昇りきって龍神となる「登竜門」の故事。強い忍耐力を持って苦難を乗り越え、昇進を願う縁起題材です。背景の水流に鯉が絡むよう意識して製作しました。
※左腕の作品は他所のものです。(The left arm was done by a different artist)
飯縄権現
天狗を神格化した神仏習合、不動明王の化身。長野県飯綱山を霊山とした修験道の戦勝の神で、足利義満、上杉謙信、武田信玄など戦国武将たちに信仰された。戦国武将は修験と互いに武神を奉じて戦勝を祈念したと言われる。高尾山のご本尊の像(烏天狗の顔を持つ)を参考にさせて頂きました。
聖観音菩薩
聖観音は様々な観音様の原型となる姿。後に全ての人々を救う為に三十三の変化をしてゆく前の基本形。菩薩とはまだ悟りには至らず、修行の身であると同時に人々を助け、悟りへと導く人間に近い存在。両腕に鯉と虎、背中に龍を置き、人間と自然界の繋がりを意識して製作しました。
五徳猫と河童
二本の尾を持つ猫が五徳(囲炉裏で鍋などを載せる台)を冠の様に頭に置き、火吹き竹で火を起こしている妖怪。江戸時代の浮世絵師鳥山石燕が描いた妖怪画を参考に製作しました。猫好きの方からの珍しいオーダーでした。妖怪絵巻の様なイメージで河童を加え、火に水をもって対比させてみました。
龍、鯉、化け鯉
「登竜門」をフルにイメージした図柄で鯉が激流を突破して化け鯉、そして龍神になっていく様子。出世祈願の題材であり、あらゆる障害を克服しながら目的を達成する為の勇気や忍耐力、強さを願った作品です。全体的に使う色を少なくして黒が強めの配色を選びました。
魚藍観音
中国唐の時代、魚を扱う美女がお経を暗唱できる夫を探しあて、愛でたく結婚したがすぐに没してしまう。女性はその後、経を広めるために現れた観音とされ信仰される様になった。一切の害を取り除く観音菩薩で大魚に乗る姿と魚を手に持つ姿と二種類ある。他所で彫った小さな鯉のカバーアップのご要望を受けましたが、カバーアップしながら残す事としました。
応龍
中国の伝説上の龍。千年生きた龍は翼を持った応龍になる。応龍はやがて麒麟を生み、そして麒麟は全ての獣を生むと言われている。龍と同様、水を司る聖獣で社寺彫刻にも多く見られ、建物にその姿が在るのは火を伏せるという意味も持つ。とても逞しい姿はまるで龍のメガ進化とでも言いましょうか。龍に勝る力強さを求めて製作しました。